‘なでしこ ジャパン’から学ぶ「組織力」
8月の原稿作成構想中の頃、7月19日未明、‘なでしこ ジャパン’と米国代表が対決する「女子サッカー・ワールドカップ決勝戦」のTV実況を眠い目をこすりながら観戦に臨みました。
この放送の視聴率は、20%に達し、予想を上回る日本の女子サッカーチームが躍進し、アレヨ アレヨの決勝進出に驚き、日本中の多くの人々が、目を覚まし観戦していたことが覗えます。
従って、サッカーゲームの推移は、多くの読者の皆さんは、先刻、ご承知なので、割合いさせて頂き、以下の私の記述は、日本チームのトップ;佐々木監督を企業トップとしての社長とか事業本部長と見たて、競技現場のリーダ;澤キャプテンを企業競争の現場の課長・係長と見たて、そして、その部下として、各ポジジョンを守る出場選手と控え選手を企業の現場を担当する社員と見たてて、企業の「組織力」のあるべき姿と、試合中に見事なプレイを起こすことができた事象と、それを実現したチーム力(組織力)の日頃の練磨について考えてみたいと思います。(私の推論を交えて)
1.佐々木監督と澤キャプテンとの試合展開の方針の練磨
強豪欧米チームとの戦い方の「ビジョン」は、自チームと比し体格の大きさ、身体能力の高さをどう切り崩すかにあった。そのための「組織力の練磨」は、ボールを自チームに確保するや、意表をついた小マメにパス回しをするパターンを繰り返す中で、相手の間隙を誘発し、個々の選手がチャンスと見るや自発的に一挙に攻め入る戦い方を実践することにあった。そして、その局面を作るフォーメーションの練習を重ね、実戦でも試しながら相手チームの特徴を研究し、「ビジョン」の修正を図りながら、個々の選手に身についた「ビジョン」とするため、「組織力」を練磨して来た。
⇒教訓:「企業ビジョン」は、大局的な視野でブレない基本と、レベルアップする部分を区分けして練成・成長させていくこと。そして、それを実現するための「組織力の練磨」を繰り返し、最前線の現場が自主的に行動の発端を拓くことが出来るまで高める必要がある。
2.試合の中で感動した場面
1)相手に先取点を与えても、上記の基本パターンは不変であった。パス回しで相手の間隙を見つけた選手は自己判断で、果敢に攻めに入り、ゴール前では、必ずフォローする選手がいた。ゴールを失敗しても、一向に落胆する本人の姿もなく、次の攻めに入るためのボール獲得に全選手が專念し、新しいチャンスの創出に向かっていた。
例として、宮間選手のゴールを決めたプロセスとか、相手がゴールキックを決める寸前で身を呈して阻止した岩清水選手のペナルティ退場。相手のフリーキックの失敗を誘発し、失点を免れたなどの場面があった。
⇒教訓:個々の局面で失敗が出ても、即、それを機会に新しいチャンスを生み出すチームプレー;これは、企業でも失敗の反省はしても責めず、むしろ新しいチャンスメークに、邁進する風土が素晴らしい。
2)コーナーキックで、ゴール前にいた澤キャプテンが、ディフェンスの相手選手より一瞬に、前に飛び出し、いきなり横蹴りで、同点ゴールを決め、PK戦に持ち込んだ。(コーナーキッカーとの暗黙の連携)
3)PK戦で、海堀ゴールキーパが、逆跳びしたが、片足で、ゴールボールを排除し、全身の反応で失点を免れた。
4)PK戦で、熊谷選手が、心もとない表情ではあったが、相手キーパーの意表をついたゴールキックでゴールを決め、優勝に導いた。
⇒教訓:上記2)~4)の技は、実戦でいきなりやっても成功するものではない。普段に、この様な状況下で練習を重ねていたと思った。また、熊谷選手はポーカーフェースの練習もしていたかも?
企業において、「企業ビジョン」は掲げられているだけでは、いつしか形骸化する弊害は免れない。
『なでしこ ジャパン』に教えられた「企業ビジョン」とは、トップのリーダーシップによりブラッシュアップを常時はかり、社内で共有する‘生きた’行動規範であり、組織力を高めるための背骨でなければならない。
各社員は、この「企業ビジョン」に沿った行動を、自己判断で失敗を恐れず自発的に行動でき、かつ組織構成員は、阿吽の呼吸で協調し、支え合える「組織力」とならなければならない。