数値流体力学から『数値経営力学』への応用-Ⅱ
前回より続けます。
≪要約-その2≫
| ・経営の「見える化」で利益の最大化をはかる 経営の世界でも「見える化」の必要性と有効性が叫ばれて久しい。 ERP(Enterprise Resource Planning、企業情報資源計画)などによって基幹業務のデータベースも整えられてきているのに、貴重なデータは日常定型的な業務に使われるだけで、経営の「見える化」に使われている例は稀なようだ。 利益の出る経営のメカニズムは、経営の「見える化」を実行してからこそ理解され、さらに優れた経営へのヒントもここから生まれると思う。 製造業の経営なら、生産と流通輸送と販売のデータがある。 すべての商品のこれらのデータをまとめて色々な形の「見える化」を行うと色々なことが分かってくる。 一個一個の商品にID番号をつけ、そのライフサイクルをデータ化するとしよう。いつ生産され何日間工場に在庫として置かれ、何日かかって北米へ運ばれ、米国販社に何日間在庫され、最終的にいつ販売されたかのデータが得られるとする。これが、すべての商品に対してデータとしてあれば、完全なデータベースができる。 生産から販売までの統合されたデータベースが全商品に対して得られれば、様々な「見える化」ができる。 ・「見える化」出来ることはまだまだある 詳細参照;http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20100527/214620/ |
前々回のブログ;『ものづくり企業は、「富の創造」によって収入を得る』にて、引用記事の筆者;谷島氏が、読者に理解し易くするため、ドラッカーの主張を4象限のマトリックスで、表現してくれました。
― マトリクスの横軸は情報の入手場所とし、「左を組織の中」、「右を組織の外」とする。
― 縦軸は情報の目的とし、上側はイノベーションを推進し「富を創出するための情報」、下側は「企業活動のコストに関わる情報」として図形化して、説明されました。
このように象限に分けると、確かに分り易いのですが、イノベーションの目的を内・外に分けるのは解り易くて良いのですが、それに従属するコストを組織の中と外を縦軸ではっきりわけて仕切ってしまうと、違和感が出てきます。夫々の目的を果たすには内・外の組織の協働(コスト)が必要であるからです。
どうしても事業ユニットとか、もっとメッシュを細かにして、プロダクト対応で区分けしないと、この4象限方式は、コンセプトは理解出来ても、実施する段階で、担当者間での誤解が生じ、イノベーションの目的に対応するコスト把握との関連が、一貫しない嫌いがあります。
そこで、前回の冒頭に述べましたように、その解決策の一例として、前回~今回のブログで、宮田秀明氏の「数値経営力学」を引用しました。
この本文の中で、“一個一個の商品にID番号をつけ、そのライフサイクルをデータ化するとしよう。例えば、いつ生産され何日間工場に在庫として置かれ、何日かかって北米へ運ばれ、米国販社に何日間在庫され、最終的にいつ販売されたかのデータが得られるとする。これが、すべての商品に対してデータとしてあれば、完全なデータベースができる。” とありました。
膨大なデータベースとなりますが、「数値経営力学」で解析すれば、与件のプロダクトのライフサイクルを通じたパーフォーマンスをシミュレートすることができると云うわけです。
しかし、各企業は、固有のものづくりに関し、上記の様なシミュレーションが実用出来るようになるためには、宮田氏が船の波で、経験されたように、的確なデータの収集と実用検証する地道な活動により、固有の「ものづくりの知識・知恵」としてのデータ蓄積をすることが必須条件となります。
また、この様な‘IT活用プロジェクト’を社内で推進する手法として、一挙に社内展開するのではなく、当初は有能な適任者をリーダに選び、チームメンバーを育成しつつ、スモールスタートさせ、実用の成功体験を重ねつつ、全社に伝播させる進め方が欠かせません。
参照:08年7月22日更新;製造業の「知」の総力戦、どう戦うか-Ⅱ
このブログは、約2年前、「ナレッジ・エボリューション・マネージメント(KEM)」の某社の実践プロジェクト例を引用して、上記に参照しましたブログを書きました。
今回、読み返してみましたが、この‘IT活用プロジェクト’と類似しており参考になるかと、リンクしました。
なお、このブログ本文の末尾で、
アクト・コンサルティング(取締役・経営コンサルタント 野間彰;
意思を持って知識活用を加速する「ナレッジ・エボリューション・マネージメント」の勧め
へリンクしておりますので、併せてご覧ください。