小澤征爾氏から学ぶ『新しい日本のよさ』

新年早々、世界的指揮者の小澤征爾(74)さんが、半年間の食道がん治療のため、今年6月までの国内外の指揮を前面キャンセルされる趣旨の記者会見をされた。その冒頭で、「昨年末に受けた人間ドックで見つかった。いろいろな人に迷惑をかけて申し訳ない。何とか半年以内に戻ってきたい」とTVで報道され、早期復帰への意欲を見せられた。

小澤さんにとって、今年はウィーン国立歌劇場音楽監督として最後の年に当たり、6月末には共に退任する同歌劇場総裁のファアウエル・コンサートの指揮が予定されており、「それまでに何とか治して指揮したい。指揮が無理としても、客席には行くつもりである」と壮絶な意欲を見せられ感動しました。

さらに、小澤さんは、ドイツ、イタリヤの主要歌劇場の音楽監督も歴任されていると聞き、なぜそこまで西洋音楽の本場で、東洋人の小澤さんが、これらの枢要な指揮を任されることになったのかと疑問が湧いてきた。氏がその疑問に答える様に、“それは日本の文化の良さなのだ。西洋の文化の良さに、きめ細やかな日本流を取り入れて演奏することにより、西洋の人々、世界の人々に感動を与えるのだ”と発言された。

そう云えば、日本が開国される前の江戸時代に‘浮世絵’が西欧で、既にもてはやされ、ゴッホなども浮世絵にあこがれ、その真髄を取り入れようと、描いていた。その頃、日本ではどこでも見られる絵として、庶民が日常楽しむ独特な日本文化になっていた。

日本の中に居て、‘日本の製造技術の良さ’を自慢しているだけでは、‘独善’の域を出ないのではないか?昨今、外国人が『日本の製造力』を評価してくれる発言が見られるが、それに有頂天にならず、小澤さんの様に、海外に住み込み、その国の良さを習得し、その中に‘日本の良さ’を織りなして、『新しい日本の良さ』を醸し出すことが求められる。

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