‘FAベンダー’が看過できない中小製造業の衰退

前々回のブログ;『モノだけに頼らない“新たな「日本流」”』で、今後、日本のものづくりの進化の在り方を探ると、“「made by Japan」をグローバルに浸透させること” に帰結されることを述べました。

そして、前回のブログで、『‘FAベンダー’のグローバルサービスとは?』をテーマとして、日本の製造業がこの「made by Japan」を推し進めていくためには、これまで共に発展してきた‘FAベンダー’の在り方も大きく進化しなければならないと考えました。そこで、グローバル化を先進的に展開している製造企業『コマツ』社長の経営方針に関するインタービュの記事で、①グローバル市場戦略と、②グローバルものづくり戦略とグローバル人材の活用との連同が重要なポイントであると述べられていました。そして、更に重要なことは、日本のものづくりが‘made by Japan’で、復活を図るためには、国内でこれまで培ってきた様々な要素技術を国内で結集できることを継続的に強化しなければならない。その価値観の共有が欠かせないとして、 ③日本の製造業の強さは中小を含めた総合力であると訴えられていました。

そして、この様な経営方針の下で、展開される有望な製造企業をグローバルサポートする‘FAベンダー’の在り方について、ヒントになると思われる私見を、上記①、②を中心に、前回ブログで記載しました。

そこで、前おきが長くなりましたが、前記の‘FAベンダー’の海外のサポート機能の進化のみならず、③に述べられている国内中小製造業を含めた総合力を強化する方法論について、次に掲載する09年10月12日の日経記事を引用し、今回のブログを展開したいと思います。

アマダ;板金加工全寮制で指導 / ≪中小企業の後継ぎ育成≫
板金加工機大手のアマダが、親の板金加工業を継ぐ若者の育成に乗り出した。板金加工企業の多くは零細規模の家族経営だが、国内市場は低迷傾向で、親や、同業他社から技術を見習う事業継承の流れは途切れがちだ。

今年の4月に、アマダが開設した、資格取得も含め半年かけて板金加工の機械技術を学ぶ職業訓練コース、その狙いは、
①徒弟制度衰退で「親方」の肩代わり
②半年間の全寮制:1日7時間 8資格取得も含む
③悩み分かち合い、切磋琢磨

とある。

第一期生は、親が板金加工業を営む18~33歳の7人が参加した。参加者は全寮制の下、寝食をともにしながらものづくり企業の後継社長を目指す。板金機械の扱い方や加工技術はもとより、工場管理、ビジネスマナーなど、30の講座を学ぶ。

講座は半年間の全寮制で、ピアスは禁止、朝は午前7時半までに起床、1日7時間の講義をみっちり受ける。クレーンやフォークリフトなど、8つの国家資格(免許)の取得も含まれており息つく暇もない。

門限は午後10時、寮に帰っても補習や復習が待っている。参加者の一人(26歳)は、“会社の看板を背負っているだけに責任感が重く怠けていられない”とモチベーションも高い。アマダの能力開発部部門長は、“7人の同期生は、始めは寮の個室で過ごすことが多かったが、提出期限のあるリポートの作成や復習などで次第に互いに教え合う姿が目立つようになった。一つ屋根の下で過ごすことで、「従業員と力を合わせて会社を伸ばしていく経営者の資質作りにもつなげる」狙いがある。さらに、中小企業の後継ぎとしての悩みも分かち合いながら切磋琢磨できるのがこのスクールの特長である” と云う。この講座開設の背景には、従来、徒弟制度によって伝承されてきたものづくりが失われていることにある。家内工業の代表格である板金加工会社では、親の指導を仰いだり、同業他社に出向いて面倒を見てもらいながら技能を磨くのが一般的であったが、昨今では、就業意識や働き方の多様化から事業継承にとらわれない子供が増加している。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの05年調査でも、後継者不足から廃業を検討すると回答した中小企業経営者は25%にも及んでいる。父権が弱まり、子弟制度が敬遠される親子関係も変化しており、「技を見て盗め」、「五感で覚えろ」といった教育は通用しなくなった。

この様に、国内の板金事業者の減少は機械を売るアマダにとって死活問題である。『アマダが“親方”として後継ぎを一人前に育て、安心して経営をバトンタッチしてもらう必要がある』と書かれていた。

コレは、‘FAベンダー’としても、『国内の中小を含めた製造企業の総合力強化の方法論』として、他山の石として看過できないヒントである。

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