‘FAベンダー’のグローバルサービスとは?
前回のブログ;『モノだけに頼らない“新たな「日本流」”』の末尾で、三菱電機の「FAコミュニケーションセンター(FCC)」の在り方を、今一度再考し、実現することができれば、“日本の製造企業が生き残りをかけた「新たな日本流」への進化と、その遺伝子をグローバルに伝え、「made by Japan」を浸透させること” の手助けが、出来るのではないか? そして、その展開を速やかに行えば、まだ間に合うのではないか? と書きました。云うまでもありませんが、三菱のFCCは一例として掲げたまでで、般化すると、日本の生産設備メーカや、FA機器メーカ・システムベンダー(以降、‘FAベンダー’と略記)の今後の在り方です。
これまでの‘FAベンダー’は、日本の製造企業の発展と共に、厳しい顧客企業に教えられ、そのニーズをくみ取り、製品に反映してきたのです。これからのグローバル化でも、その絆を強くして、世界に立ち向かわなければなりません。これまでのFAベンダーのサポートサービスは国内主体でしたが、今、新たなグローバル化への脱皮が求められているのです。即ち、『これからの‘FAベンダー’のグローバル・サポートサービスのあり方とは?』を考えてみたいと思います。
最近の新聞等の報道で、「経済危機後、“ニッポンの競争力”は、日米欧市場の縮小と新興国市場の拡大、そして、政権交代に伴う政策変更と、日本企業の経営環境が大きく変わるなか、成長に向け競争力は維持できるのか、そのための方策はどうすべきなのか?」の企業トップのインタービュが目立ちます。今回は、コマツの例を引用し、(コメント)を試みます。
コマツ社長:野路 国夫氏のインタービュ;《技術革新の拠点は国内》
①グローバル市場戦略
“建機の世界市場規模は、07年度の水準に戻ったが、先進国は底が見えず、中国、インド、ブラジルなど新興国は前年比プラスに転じ、明暗が分かれおり、明らかに新興国主導の時代に入った。中国では5割高のハイブリッド機が日本より好調。長時間稼動で使われるため、燃費効率が良い方がペイするのだ。新興国向けは価格を一律に下げる発想はなく、他社が追いつけない最先端モデルを投入する戦略を貫く。”とあった。
(コメント)他社の記事にもあったが、従来の海外戦略は、国別にシリーズ機種を投入し、シェア・アップ狙いであったが、これからはグローバルに広く薄く、得意製品に的を絞る市場戦略が、新しい流れの様である。従って、‘FAベンダー’は、この「グローバルに広く薄く」に注目し、グローバルサポート体制と内容を整える必要があるのではないかと思う。
②ものづくり戦略と、グローバル人材の活用
“コマツは、‘日本企業’として雇用を創出していくという経営理念である。中核技術の開発、生産を担うマザー工場も海外に移転すれば‘日本企業’ではなくなる。中国で量産するハイブリッド機も基幹部品は国内から送り現地で組み立てる。国内で技術革新を続け、10年かけてコストを半分にするのが経営であり、日本を研究開発の拠点とする。”と云う。
日本は雇用不安が高まり、同時に少子高齢化が進むなかでの対応は?に応えて、“アジアでの人材の積極活用は欠かせない。これまで、中国など海外工場は組み立て中心であったが、生産技術や工場管理、機械加工でも幹部社員を育てる必要がある。フィリピンでは4年間研修を受けた大卒を、世界の鉱山、・インフラ工事現場へ派遣している。人件費が安いからではなく、英語が堪能で海外での適応力も高く、日本人にはない熱意もある。
(コメント)ものづくりの基盤は日本に置く方針は、やはり製造業は不変である。従って、‘FAベンダー’としても日本を核とした、グローバルサポートネットの再構築が求められ、海外サポートの‘人の質’が問われる。人材活用も管理、技術層へレベルを上げる必要がある。さらに顧客サポートの人材は、各国対応ではなく、フィリピン人の例(参照:産業の「絹の道」...三菱のインドFAセンターの例)の如く、適材適所でグローバル活用を行う必要がある。その育成法は、日本人は海外現地へ、外国人は日本へとローテションを行い、相互に‘棲み込み’研修が有効である。
③日本の製造業の強さは中小を含めた総合力
“我が国の様に、製造の様々な要素技術を国内で結集出来るのは世界で日本とドイツくらいである。グローバル競争を勝ち抜くためにも中小の取引先をまもることが重要だ。”と、不透明な政策の転換の行方に加えて、産業界では調達先を絞り込む動きが気になると云う。
(コメント)‘FAベンダー’は、過去、大手ユーザ、ベンダーヘの販売に目が行き勝ちであったが、今後は、中小ベンダーの海外進出も不可欠である。それを助けるグローバルサポートの在り方の再考も肝要である。