第19回:DMS展リポート-Ⅰ
去る6月下旬に東京ビッグサイトで開催されたDMS展(設計・製造ソリューション展)へ三菱電機のFA事業の方々から今年は新しい展示をしていると勧められ、見学する機会を得ました。今年は「技術伝承ゾーン」を新設されたことと、昨年からの「トレーサビリティーゾーン」もあるとの情報もあり、興味があったので、しばらく振りに行ってみました。まず三菱電機のブースへ訪れたところ、例年もまずまず賑わっていましたが、今年は格別賑やかで、プリゼンテーターがステージと、展示エリヤとを駆け回って掛け合いを賑やかにやっています。聴衆の方々も熱心にメモを取って聞いていただいている。展示ボードには、『 現場から経営までをダイレクトに接続; 《~e-F@ctry がSOAを手に入れた~》 』のキャッチが踊り、製造現場の三菱PLCが新ユニット“MX MESInterfaceIT”を介して、IBMのエンタープライズ・アセット管理システムであるMaximoと直接ドッキングしている統合システムになっています。辺りをきょろきょろしていたら、e-F@ctoryシステム開発の中心人物のWさんが目ざとく見つけて説明をしてくれました。過去のブログで何度かぼやきましたが、“情報システムベンダーは、製造現場のことはFAベンダーにお任せで、あまり情報連携に踏み込んで来ない!”という先入観があり、思わず、“IBMは本当にやってくれるのかい? 製造科学技術センターでやっているMfgXのMESXプロジェクトとはどうなるの?”と質問しましところ、IBMはSOAソリューションでMES領域まで踏み込んで三菱と連携開発を進め、実現したと、云います。IBMも遂に製造現場に熱心になったのかと感心することしきりでした。
その構成図を掲げます。
詳しくは、三菱電機e-F@ctory関連資料を参照下さい。

それにしても、私の認識では、2~3年前、SOA(Service oriented Architecture)が大いに喧伝されましたが、昨今ではあまり耳にしないので、半信半疑でした。しかし、GoogleでSOAを検索し、現在はホットになっていることが分り、大いに認識を改めました。先刻ご承知の皆様も多いことと思いますが、以下にその内容を紹介します。
参照;《解説》:「SOAとBPM」の相関を理解する;システム俊敏性のさらなる向上をはかるためのアプローチ/栗原潔 テックバイザージェイピー代表
説明の要約として、本文中の図が、的確に表現されており、それにコメントを抜粋します。詳しくは本文を参照されたい。
01)俊敏性──今日の情報システム、真の差別化要素

情報システムの差別化要素について考えてみると、過去においては、処理性能の高速化が一義的だった時代や、低コスト化が一義的だった時代があった。そのあと、ERPなどの統合業務アプリケーション・パッケージが台頭し、タイム・ツー・マーケット(アプリケーションをサービスインできるまでの期間)の短縮に力が注がれることとなった。そして、今や情報システムの真の差別化要素となっているのは俊敏性(アジリティ)、すなわち環境の変化に迅速に対応できる能力と、柔軟性、すなわちシステム自身が変化できる幅である。
02)BPMとSOAの組み合わせによる俊敏性のさらなる向上

ESB(=Enterprise Service Bus )、BPMの両技術と親和性の高いSOAを組み合わせるというアプローチである。ESBは、SOAのサービス間の やり取りの中継地点となり、サービス呼び出しの制御を行うためのミドルウェアである。BPMはビジネス・プロセスと関連するビジネス・ルールを設計し、プロセスの実行フローを制御し、プロセスの実行状況を監視、可視化するなどの機能を提供するミドルウェアである。ESBは、「バス」という名のとおり、基本的にサービス間、つまり、ビジネス・サブプロセス間のやり取りをすべて補足できる場所である。すなわち、BPMが提供する機能を実現するのに、ESBは最適な場所ということになる。
03)情報システムのボトルネックを解消

今日の情報システムにおいては、計画(Plan)、実行(Do)、分析(Check)、対応(Action)というPDCAサイクルの一連の流れにおいて、特に分析と対応の間にボトルネックがあるケースが多い。例えば、ビジネスの現状をリアルタイムに分析し、問題点が明らかになっても、それを迅速にシステムに反映させることができずに、全体としての俊敏性が実現できていないという状況だ。こうした状況下において、ビジネスとITの整合性が高いBPMとSOAの組み合わせは、ボトルネックを解消し、俊敏性を全体的に向上できる可能性が高い。将来的には、現場のプロセス上の問題点を検知した際、自動的にプロセスのパラメータを調整する「自己最適化型の情報システム」が現実のものとなることが考えられる。
以上は、情報処理系のシステムにおいて、昨今では俊敏性を求められ、システムを運営しながら、社内外の変化に追従しBPMのビジネス・ルールを進化させて、ESBを介してフレキシブルに対応している方法を述べている。従来のERPでは、製造現場のFAシステムとのやり取りは粒度の大きい指示・報告の内容でシェークハンドが行われていた。そのため製造現場レベルのPDCA改善に留まっており、全社的改善へ展開するボトルネックが大きいことに気づきながら、このギャップに踏み込めないでいた。
今回、IBMと三菱電機がこのボトルネックを取り払い、その俊敏性に真っ向から取り組んだ意義は大きい。
また、三菱電機では、IBM協賛で9/9東京、9/11名古屋にてFA-ITの統合による、新経営戦略のご提案e-F@ctoryセミナーを実施する。