製造業にかかる温暖化対応の圧力とは?
昨年12月27日の「日経ものづくり」NEWS (no.894)・今日のblog(木崎 健太郎氏)に、気なる記事に出会い驚愕しました。
“京都議定書に則った「温暖化対応ランキング」の07年実績は、なんと中国にも抜かれて日本は42位になっているそうです…。みなさまはいかがお考えでしょうか? ものづくりの現場にも,製品の省エネルギー化や,生産システムの効率化などで既に影響は強く現れ始めています。
しかしこの1年で,これまでとはまったくレベルの違う強い圧力が製造業にかかってくることが十分に考えられます。”という。
そのもとになった記事は、エコビズテック論:『温暖化対応ランキング、日本は中国にも抜かれ42位』です。この中の、《やっぱり取り残される日本》の項に、
“昨年の11月、福田首相が出席しバリ島で開かれた「COP13」の会議。ガクンと評判を落としたのが日本のようである。国内では環境対応先進国、環境技術世界一などと言ってはいるが、COP13の会場でドイツの環境NGOが発表した調査結果によれば、日本は温暖化対応で世界ランキングの42位なのだそうである。2006年の26位からどんと下がり、ついにあの中国(54位から40位に浮上)にも抜かれてしまった。要は、国としての政策が全く評価されていないのだ。
2008年7月に洞爺湖サミットがある。こんな状態で世界の最も深刻、かつ急を要する問題を議論する会議のホスト役を任せられないと思われているだろう。
日本という国は人類の将来世代にどれだけの責任ある態度をとれる国になれるのだろうか。2008年は日本と日本人に、それが問われる年になるのである。”と、この論述を締め括っている。
注)日本が42位とは納得し難いので調べたところ、要は、算定の基準年を1990年として改善度合いを算出する方法を京都議定書で合意した。日本はその時点で、世界で抜きん出て絶対値は高いレベルにあったが、今回、関電の原子力事故など諸事情があり悪化させてしまった。それでも絶対値は欧州主要国よりも30%高いレベルにあるということで、アンファアであると言うが、数値の議論は本質の問題ではない。
下記に、詳しく解説されている。
ニュースの深層:『京都議定書をどう守る? EUが達成でき、日本が困難なワケ』さらに、1月22日、エコビズテック論:『やっぱり日本は沈没するのか』に述べられている結びの一節を引用しますと、
“いま、世界はこぞって21世紀をどう生きていくべきなのかを思案し、新しいモデルの模索を始めている。そのモデルの中身を競う時代が始まったのである。人材、技術に支えられた生産力、巨額の金融資産などなど、まだまだ日本には多くの財産が残っている。それだけではない。「自然との共生」というDNAを持つのは日本人の誇りだ。21世紀のモデルを創る上でこんなにも高い可能性を秘めている国はそれほどない。 あとは、どうやってそのロウソクに火をともすかだけなのである。”とあります。
上記のように、『地球温暖化』を捉え、日本の工業力と自然と共生してきた日本のDNAを生かして、どう日本を再興するかは重要な識見と思われます。そこで、これから温暖化で地球はどうなるのかを、科学的に理解をすることが不可欠と思います。それに関連し興味ある記事を見つけました。
ECO JAPAN/インタビュー:『環境考古学が予言する地球温暖化の行く末(前・後編)』《地球温暖化による気温上昇は、人類の将来にどのような影響を与えるのか》について、環境考古学の第一人者、安田教授の話を抜粋すると、
| ● | 畑作牧畜の民である漢民族は、4000年間、木を植えたことがありません。アングロサクソンは、300年間で自分たちが住んでいた地域の森を8割がた使い果たしてしまった。彼らは森を使うばかりで、植林の大切さに気づかなかった。これが、彼らが過去やってきたDNAが未来を決定することの証でもあります。 |
| ● | 今世紀末に地球の平均気温は6.4度上昇すると云われています。 その急速な気温の上昇に生態系が適応できず、安定した生態系が確立するまでの500年間は、生態系が不安定になって、干魃(かんばつ)や洪水などが頻繁に起こるはずです。 ところが今問題になっている地球温暖化では、「今後、50年間で約6度上がる」と予測されている。これだけ急激な温度上昇の変化には、人どころか自然も、さらには地球さえも適応できないのではないか?と私は思っています。 |
| ● | 平均気温が3度上がると、北極の氷が全部溶けます。すると、大量の冷たい淡水が海に流れ込むことで、北大西洋の海水の循環が止まります。水は摂氏4度のときが一番重くなるので、4度に冷やされた表層の水が酸素をいっぱいに含んで海底に沈みこみ、深層水の循環を維持しているのです。ところが4度に冷やされないと酸素を含んだ表層の水は深海にもぐりこめません。すると海中の酸素濃度が不足して様々な生物が死滅します。死骸が海底に蓄積することで次第にメタン(CH4)が発生し、ますます温暖化が進むことになります |
| ● | 私たちの暮らすモンスーンアジアは、ヨーロッパや西アジアに比べて、温暖化の影響をいち早く受けます。暴風雨や干魃などが多発し、食糧生産量は急速に減少し、食物の奪い合いが起こり、もしかすると、食料を確保するために人は殺しあうことになるかもしれません。 今の日本の穀物自給率が28%で、果たしてこの先、国民すべてが食べていけるのか?です。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの穀物輸出国は、現在、自給率が100%以上だから“余ったもの”を売ってくれていますが、今後、生じる気候変動によって自国の分の食料が足りなくなったら、輸出してくれなくなるでしょう。 |
| ● | 今、人類に足りないのは、自分たちの欲望をコントロールする知恵です。今の市場原理主義社会では、欲望が知恵に勝っています。それでは持続型社会の実現は無理です。 昔の日本人にはその知恵があり、淡々と循環的社会を実現していました。東南アジアの諸民族や日本人が営んできた「稲作漁労文明」は、川に水さえあれば、森さえあれば、何万年でも同じように持続できる、世界に誇れる持続型文明社会を構築してきたのです。 それに対してヨーロッパや中国の「畑作牧畜文明」は、森を家畜が食べつくして水の循環系を破壊し森の生き物を幾万と殺し、森がなくなると今度は化石燃料である石炭、石油にまで手を付けた。そして地球温暖化を引き起こしているのです。 |