躍進企業に学ぶ究極の『見える化』 - Ⅱ

前回の -Ⅰのテーマに引き続き、ここでは、営業・サービスの視点を切り口に、躍進企業の社長の発言を纏めて見たいと思います。
なお、これらの考え方は製造業にも適用できると思います。製造業の視点でも見ていただきたいと、掲げます。

Ⅱ)「グローバルな顧客対応の‘広さ’と‘速さ’を克服するIT化」
先々回の私のブログで述べた‘広さ’と‘速さ’を克服するIT化の要件 - Ⅱについても、以下に掲げる事例の社長の発言により、課題が現実的なものになると思います。
注)以下の事例の番号は前回からの連番としています。

⑤ 衣類の電子カルテをWebで公開--ハッピー
大手クリーニング・チェーン店の5倍近い料金にもかかわらず、国内はもとより海外からも注文が殺到しているクリーニング店が、2002年の創業から年率26%の勢いで売り上げを伸ばし続けている。
同社の社長は、“優れた技術を持っているだけでは、顧客の信頼は得られない。「そこまでやるのか」と顧客が驚くくらい、作業内容や品質を『見える化』したことが、当社の競争力につながった”という。大手クリーニング・チェーンの低価格・短納期と‘真逆’のサービスだが、それでも同社には毎月4000~6000着の注文が寄せられる。“仕事の質に信頼感を勝ち取ることで、「愛着のある服は、多少お金をかけても、信頼のおける業者に頼もう」という顧客の心をがっちりとつかめた”と社長は強調する。同社では、衣類が届くと1着ごとに電子カルテを作成し、登録していくデータの項目数は、1着当たり約150種類に達する。さらに、この電子カルテをWebサイトを通じて、顧客に公開し、依頼内容や洗浄方法を電話で顧客に説明する。併せて、「袖口や裾のホツレの修復とか、生地をいためない洗濯方法の提案」など、顧客の要望を聞き出し、電子カルテに書き込んでいく。 クリーニング工場では、電子カルテを見ながら、1着1着、時間をかけて洗浄しアイロンを掛ける。作業結果を記入した電子カルテとアンケート用紙を同封して届け、顧客の意見を聞く。もし不満が寄せられたときは、カルテを見ながら、顧客の要望に真摯に対応するよう努めている。

⑥ 情報を目に飛び込ませる:「信号機」のように分かりやすく--ハッピー、シャボン玉石けん
模造紙の代わりに、大型ディスプレイを使って、「見せる」工夫をしている会社もある。⑤で紹介したクリーニングのハッピーが、その1社だ。同社は、工場の至るところに大型ディスプレイを設置し、社員が担当している仕事の内容や進捗状況を、リアルタイムに表示している。
社長曰く、“信号機は3色だけで、交通網を制御している。目的によって見せ方は変わるが、現状を把握したり、指示を伝えるためならば、あれもこれもと欲張らず、必要最低限の情報が直感的に分かるようにした方がよい”と、指摘する。
一方、シャボン玉石けんは、顧客の声をできるだけ‘生’の形で記録できるよう、同社は2006年5月に約5000万円を投じて、コールセンターのシステムを刷新。顧客の要望をオペレータが要約せずに、システムに入力できる仕組みを整備した。同社の社長曰く、“情報を見やすくするために加工しすぎると、意味が変わってしまう危険性がある。例えば、顧客満足度などの統計値だけに頼ってしまうと、その裏に隠れている理由や背景を見落としてしまう。顧客がどれだけ新しい商品を切望しているのか、また、改善してほしいのかは、生の声だからこそ伝わってくる”、さらに“『見える化』の合理性を追求しすぎず、何を「見える」ようにしたいのかを考えることも時には必要だ。”と指摘する。

⑦見える仕組みは自社で作る:生産設備とシステムは会社の両輪--八幡ネジ
ネジの納品精度「99.98%」を誇る八幡ねじは、「思っていた商品と違う商品が届いた」「本数が足りない」といった取引先からのクレームを減らすため、同社では受注システムの中に、取引先の誤入力を『見える化』する機能を組み込んでいる。EDI(電子データ交換)による受注処理を取引先ごとにカスタマイズしている。ある取引先がセンチ単位で発注する場合は、本来の発注単位であるメートル単位に自社内で変換して、受注システムに登録する。過去の発注履歴がない商品や、桁違いに多い発注があったときは、受注担当者に警告を出し、発注先に再確認するようにもしている。社長は、“会社の土台を支える情報システムは、工場の生産設備と同じようなもの。自社で工夫できるから、他社と差異化できる”と、システム内製化の重要性を強調する。

以上の結論として、先ず経営トップが、自社をグローバル企業に再生する経営理念を打ちたて、それを遂行する『FA-IT』の我侭をベンダーに貫き通すことです。対応できないベンダーは、自滅あるのみです。

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