中小企業向け『FA-IT』ツールの要件 - Ⅱ
前回のブログの末尾で、「グローバルな顧客対応の‘広さ’と‘速さ’を克服するIT活用」について導入部を述べました。
今回は、この内容を敷衍したいと思います。
中小企業のいわゆるCRM(= Customer Relationship Management)の特徴は、大企業と異なると考えています。従って、システムベンダーに配慮していただきたいのは、その要求は大手ユーザーのCRMのスケールダウンではなく、その企業に合ったシステムを市販されているソフトなどをベースに、他の業務システムを連携させ、将来の機能拡大にも追従できるよう、カスタマイズし、機能・コストを満足するシステムを提供頂きたいと思います。
そのシステムの留意すべき用件は、
1)先ず、中小企業の場合は、特定顧客ありきからスタートしています。受注前の案件の提案から始まり、商談の詳細化、受注後から出荷までの詳細確認、納入後のフォローなど、一連の過程をCRMとメールの連携で行います。ここで問題は、技術集団主体の企業ですから、技術問題のやり取りは現場(技術)主体で行えることが要件です。営業・業務システムと連携できなければなりません。既存の営業・ERP、業務システムと非定型業務の多い現場(技術)が連携していくためには、先ず技術書類の電子化とDBの整備から進め、現場はEUCで取り扱えるように基盤を整備すべきです。
拡張、レベルアップするのに柔軟性がある言語は、色々使ってみたが、結局マイクロソフトのExcelであったとの記述があります。中小企業の情報統合化への応用に適しているのではないでしょうか?(参照: 「システム開発生産性がもっとも高い言語」)
2)オンリーワンを目指す中小企業としては、従来の特定顧客に加え、新規顧客を開拓しなければなりません。いわば、親子関係の取引から、対等の取引関係を確立し、新規顧客を獲得しなければならないのです。第一段階として、インターネットホームページからの一斉放送型PRはすでに行われていると思われますが、興味を抱き、エントリーしてきた人が新たな固定顧客になるチャンスとなり、徹底したフォローが重要になります。
従来、大手企業では、CRMのコールセンターは音声による対応が行われてきましたが、最近ではチャットによるサポートの方が、内容が電子化され良質の対話情報が蓄積され、社内展開も容易で、省力化にもなるといわれています。(参照: 「チャットによるサポートでサービスの質が向上する」)
この記事を見て、技術的内容の対話が多い中小企業に応用するのが面白いと思いました。
忙しい現場のベテラン作業者の出番が避けられません。しかし、リアルタイムの音声対話は現実的に不可能です。これは、アシンクロナス(非同期)の対話ができるので、前さばきは、他の人がやり、肝心な内容の時、ベテランヘ振れば良い。ITリテラシィの比較的高い若手にやらせれば教育にもなる、さらにグローバルな対応になれば、不得意な外国語の直接対話をしなくても良い、おまけに、対話テキスト、そのとき使った映像、図面なども貼り付けておけば、しっかり電子化されて残り、情報共有ができる、等など。
3)中小企業の顧客に対しては、顧客から得た情報の漏洩防止、ウイルス感染、迷惑メール対策など、Webベースのシステムでは不特定多数が過剰で不安です。一旦、コンタクトが出来た顧客の特定多数には、徹底した情報提供、PRする安全なシステムが必要なのです。
次の記事が参考になるのではないでしょうか?
★「メールは特定多数と」の時代
4)それぞれ得意技をもつ中小企業同士のアライアンスのネットワークシステムが欲しい。増してや、アライアンスのコーディネートをリードすることができれば、ワンストップで提案できるので、新規顧客開拓に有利なのです。
ITサービスの業界では、「総合相談承り係=コンシェルジュサービス」が取り沙汰されている。中小企業のアライアンスのリードとはこの様なイメージではないでしょうか?(参照: 「IT業界に求められる“コンシェルジュサービス”」)