製造現場の『FA-IT』武装とは?-Ⅱ

前回の ―Ⅰでは、‘カネカのケース’を引き合いにして、組織としての情報の共有化を進め、各個人はそれを使って、EUCで共有している製造知識・知恵の進化に加担することができる。そして、新たな課題を提示することも出来、さらに衆智を集めて解決への道を探ることが出来る。このサイクルが上手く回る「コトづくり」が機能し、製造現場の「モノづくり」を通じて、構成員が成長して組織が進化する「人づくり」がなされることを述べました。

ここで、云いたいことは、構成員が保有しているが他者に見えない情報、知識、知恵などが即時に見え、共有できる‘人to人’の「コトづくり」の基盤の成熟が、まず必要だということです。言い換えれば、近年盛んに行われている、製造設備や現場の状況を‘機械to人’に『見える化』のFAだけでは、効果が半減していると言うことです。何故ならば、そこに携わっている担当任せに陥り、個人の能力に依存し、組織としてのダイナミックなアプローチが出来ていないと言うことです。

カネカのケースでは、話題に上りませんでしたが、現状の製造設備から収集できる範囲の機械の作動状況とか、製品の品質とかのデータの範囲では、改善の方法が衆智を集めても見当たらない場合もあると推定されます。そのような場合は、情報の透明度が高く、対応力の速い組織力で、‘機械to人’に新たに見たいデータの収集を設定し、そこから得られるデータで的確にPDCAサイクルを回し、改善スピードを速めることが求められているのです。

まえに掲げたトヨタ生産方式の「サンスターのSPS」にありましたように、従来の大量生産の設備では見えなかったが、‘こまめ’生産で顕在化した問題の早期解決と、さらに‘こまめ’生産での安定操業のために、問題発生の未然防止が必要です。そのためには、現場の作業者のみならず、生産技術、製造技術、品質管理技術、設計技術とITなどのエキスパートの衆智を集められる「コト」が不可欠であり、‘人to人’に、‘機械to人’を加えた『FA-IT』の連携が求められるのです。

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