現場の作業者の『FA-IT』武装のすすめ
8月の『お勧め記事』で紹介したベイリングポイント内田社長の講演内容を日本の製造現場のFAに当てはめて、議論してみたい。 引用記事で、欧米とか、新興国では「ITを駆使して、競争力を高める目的で、社員のスキルや、組織力を高め、企業の競争力の強化」の投資に主眼をおいている。しかしながら、日本では未だに、ホワイトカラーの業務においてさえ、IT投資は自動化、省人化目的と考える経営者が多いと、危機感を募らせる。(参照:お勧め記事「経営とITの距離」)
私はこの言葉に強く惹かれました。現状では、外国から日本の製造力が羨望されているが、このままではやがて外国の製造現場で働く作業者 にもこの組織力を高めるIT投資が施され、日本の製造業への羨望も置き去りにされてしまうのではないかと危惧しています。
‘FA=Factory Automation’は、1980年代に日本のロボットが世界で頭角を現した頃、和製英語として登場した。当時は外国人にはIndustrial Automationと言い換えないと通じなかったが、いつしか外国でも通じるようになった。今や‘FA’は製造現場のITによる合理化、見える化もひっくるめて語られるようになった。しかし日本の実態は、‘Automation’の過去の栄光にひきずられているのか?なぜか、製造設備の自動化・無人化の意識に偏っている。
1980年代は、良質な作業者が豊富に存在し、ロボットのような自動(無人)化製造設備が導入された時代、彼等のスキルを転写し、自動化・省人化を実現した。その動きを監視し、不具合、改善事項に気付いたら、彼等任せで、身についている暗黙知の経験とノーハウ頼りで、ティーチイングすればよかった。いまだに、これが日本の強みと信じ、このルーチンに惰眠をむさぼっているとしか云えないのではないか? 日本はこれから、少子化や団塊世代のリタイヤで、労働人口が大幅に減る。日本企業が競争力を維持するためにどのような施策が必要か、真剣に考え、実行する時が来ている。
製造現場のIT投資は、良質で稀少な作業者の能力を最大限に生かし、属人的能力を組織力として活用し、さらに作業者はルーチンワークをこなす作業ではなく、考え行動するホワイト的作業者へと変身を促す道具として、製造現場の『FA-IT』武装を進めなければならないのです。